オンブレ・ジャパンは、アルコール・薬物・ギャンブルなど、さまざまなアディクション(嗜癖的行動・依存症)に関する予防・啓発、リハビリテーション、社会復帰を支援する機関です。「オンブレ」は、スペイン語で「人間」の意味。スペインにおいて、年間1万7000人以上のアディクション問題を持つ人とその家族に対応し、予防・リハビリテーション・社会復帰支援で定評のある非営利組織「プロジェクト・オンブレ」の理念と活動を参考にします。
スペインで1500時間の導入特別研修を受けた者が法人の代表です。その綿密なプログラムと「人」を大切にするという理念に感銘を受け、帰国後「プロジェクト・オンブレ・ジャパン設立準備委員会」を立ち上げました。各地で普及活動を続けながら、日本の現状に合わせたプログラムを模索し、2019年にはスペイン大使館の後援も受けて、東京、神奈川、京都にて来日講演とワークショップを開催しました。活動の主旨に賛同した人たちが運営・サポートを行なっています。
私たちは、次の価値観を大切にしています。
・自律、自立
・治療-教育的アプローチ
・普遍性
・専門家と回復者の協働
・連携
・非営利性
・無宗教、無党派
・NO暴力
・家族への支援
・専門性
・ネットワーク
・透明性
代表理事 近藤京子(こんどう・きょうこ)
フリーライター、スペイン語通訳を経て、1999年より季刊Be!(アルコール薬物問題全国市民協会発行)の編集に携わる。2007年、全国薬物依存症者家族会連合会のプロジェクト・オンブレ・ガリシア支部視察に通訳として同行。「人を大切にする」という人間的な理念、予防から社会復帰までを支援する多角的・包括的なプログラム、そしてその多様性に感銘を受け、09年、同マラガ支部にて1500時間の特別研修を組んでもらい、プログラムと運営を学ぶ。スペイン各地の支部も訪問し、同じ理念のもと土地ごとの特色に合わせた多様な支援が行なわれているのを見て、日本での導入も可能であると確信する。
以後、日本とスペインのプロジェクト・オンブレの架け橋となり、2010年の内閣府視察、2014年の法務省視察では通訳として同行。内閣府「平成22年度スペインにおける青少年の薬物乱用対策に関する企画分析」「平成23年度アメリカにおける青少年の薬物乱用対策に関する企画分析」「平成24年度若年層向け薬物再乱用防止プログラム等に関する企画分析」の企画委員を勤める。
2014年にプロジェクト・オンブレ・ジャパン設立準備委員会を立ち上げ、各地の依存症関連施設や家族会などでグループを担当するほか、当事者、家族向けのプログラムを開発。学会、シンポジウムなどでスペインのプログラムについて講演し、広報をしながら「日本版プロジェクト・オンブレ」導入への協力者を募ってきた。2019年1月、来日講演とワークショップを開催。フリーライター、回復施設非常勤職員、若年女性シェルター非常勤職員を続けながら、同年4月、東京都江東区に一般社団法人オンブレ・ジャパンを設立。